『バース ― いのちの物語』〜Birth: A New Story
- 日本語字幕 大野誠士
この短編映画について
一人の女性の出産を通して、母性、祖先とのつながり、そして「自分の身体を信頼する」ということを描くドキュメンタリー。
『バース ― いのちの物語』は、ロンドンを拠点とする母親、写真家、出産ドゥーラのイモージェン・ラブが、自らの自宅水中出産を迎えるまでの旅を追います。
陣痛が進む「今」と、彼女自身を形づくってきた「過去」の記憶。
バルバドスからイギリスへ渡った祖母の歴史、母系の家族に受け継がれてきた出産のあり方、そして自身が最初の出産で経験した医療システムへの違和感。
さまざまな記憶が重なり合う中で、イモージェンは、自分の身体と感覚を信頼し、自らの意思で新しい命を迎えるという経験へと向かっていきます。
本作が描くのは、一人の女性の出産だけではありません。
私たちはどのように生まれ、どのような物語を受け継ぎ、そして何を次の世代へ手渡していくのか。
出産をめぐる、深く個人的でありながら普遍的な問いを投げかける作品です。
この映画が問いかけるもの
私たちは、出産についてどんな物語を信じているのでしょうか。
「出産は怖いもの」「専門家に任せるもの」——。
社会や文化の中で当たり前とされてきた出産の物語は、私たちの身体や母性へのまなざしにも影響を与えています。
『バース ― いのちの物語』は、自宅出産を一つの答えとして提示するのではなく、
- 自分の身体を信頼するとはどういうことか
- 母から娘へ、何が受け継がれているのか
- 出産をめぐる私たちの「物語」は、どこから来たのか
- 次の世代に、どんな物語を手渡したいのか
そんな問いを、観る者自身へと静かに差し出します。
Healing Flow がこの映画を紹介する理由
Healing Flowでは、誕生の体験は、その後の人生や人との関係性、そして私たちが世界とどのようにつながるかにも深く関わっていると理解しています。
そして、社会が再生され、成熟していくためには、母性が本来の力を取り戻し、世代を超えて受け継がれてきたトラウマが癒され、祖先とのつながりを取り戻していくこと。そして、私たち自身が身体の叡智を信頼して生きることが、大切だと考えています。
『バース ― いのちの物語』が描く、身体、記憶、母子の関係、そして世代を超えて受け継がれるものへの探究は、Healing Flowが大切にしている、「自然のリズムと深く同調しながら、人・組織・社会が共に在り、互いを活かし合う関係の中で生きている世界」と深く重なります。
この映画を通して、一人ひとりが自らの誕生や身体、母との関係、そして次の世代へ手渡したいものについて、あらためて感じ、考えるきっかけとなることを願っています。
制作チーム
監督・製作:サマラ・コンセプシオン
共同監督・脚本:イモージェン・ラブ
撮影監督:エステファニア・ロドリゲス
エグゼクティブプロデューサー:大野誠士
