映画『杜人』上映会&パネルトーク〜地域環境の再生と、つながり直すいのちの流れ〜

Co-Creation & Social Regeneration

関係性 社会変容

2023年12月3日、静岡県富士宮にて、映画『杜人』上映会とパネルトーク「地域環境の再生」を開催しました。当日は120名を超える方々にご来場いただき、作品に込められたメッセージと、それぞれの現場からの実践が交差する、あたたかく、そして深い時間となりました。

映画『杜人』が問いかけるもの

杜人 は、造園家であり環境再生の実践者である矢野智徳 さんの活動を軸に、失われつつある自然の循環をどのように取り戻していくのかを描いたドキュメンタリーです。

「自分ができないところを、できる人と連携してつなぐ。
それが命に対しての責任なんだ。」

この言葉が象徴するように、映画は単なる環境問題の提示にとどまらず、分断された現代における“つながり直し”のあり方を私たちに問いかけます。

パネルトーク:
それぞれの現場から見つめる再生

上映後には、「地域環境の再生」をテーマにパネルトークを実施しました。登壇いただいたのは、

  • 監督の 前田せつ子 氏
  • 統合医療の実践者である 山本竜隆 氏
  • 衆議院議員の 田中健 氏

それぞれの立場から語られた言葉は、環境・医療・政治という異なる領域を横断しながら、一つの方向性を指し示していました。それは、部分最適ではなく、全体性を回復していく視点です。

■映画制作と現場から見える希望

前田監督からは、映画制作の背景や、矢野さんの真摯な在り方、そして広がり続ける活動について語られました。富士山を仰ぐこの土地で、富士川の水流が大きく制限されている現状に触れながら、それでも未来へ切り込んでいく人々の存在に、確かな希望があることが共有されました。

■統合医療とプラネタリーヘルス

山本先生からは、近著『リトリート』にも触れながら、これまでの歩みとともに、

  • 社会的処方という考え方
  • 自然の治癒力を活かす医療
  • 地球全体の健康=プラネタリーヘルス

といった視点が語られました。人の健康と自然環境は切り離せないものであり、「癒し」は個人を超えて環境とつながっているというメッセージが、静かに、しかし力強く響きました。

■流域思考と地域の未来

田中議員からは、地元・富士川の現状と課題、そして「流域」という単位で自然と向き合う視点についてお話しいただきました。水の流れを取り戻すことは、単なる環境対策ではなく、地域の文化や暮らし、そして未来そのものに関わる取り組みです。その言葉からは、現実に向き合いながらも、未来へとつないでいこうとする強い意志が感じられました。

共鳴する場としての時間

パネリストの方々から届けられたメッセージは、会場にいた一人ひとりの内側に静かに響き、それぞれの気づきや問いを呼び起こしていたように思います。参加者の方々からは、

  • 「多くの気づきを持ち帰った」
  • 「心が揺さぶられた」
  • 「さまざまな分野の人がつながることの可能性を感じた」

といった声が寄せられました。また、映画と対話を通じて、会場全体があたたかな一体感に包まれていったことも印象的でした。

つながりの中で生まれる未来へ

本イベントは、多くの方々の協力と支えによって実現しました。それぞれの立場や専門性を持った人たちが、 「自分にできること」を持ち寄り、つなぎあうことで、 一つの場が立ち上がる。それはまさに、映画『杜人』が伝えている在り方そのものでもあります。私たちもまた、この流れを大切にしながら、地域の中でのつながりをさらに広げ、深めていきたいと考えています。